心が動かない。






「あー、言ってなかったけどな。

オレ彼氏いるから。」




「………… は?」

たっぷりと間を明けて、
僕は文字通り間の抜けた声をあげた。



えっと、つまりは。



彼は同性の 恋人 が いる と。



ズキリ




「…それは初耳です…ね。
機関でもあなたにそのような関係の人物がいるなど…。」


「そりゃ絶賛遠距離恋愛中だからな。
俺だって二ヶ月か三ヶ月に一回会えるかどうかってとこだし。

機関とやらもまだチャンスなかったんじゃないか?」



機関はパパラッチじゃないんですが、と頭の片隅で思いながら。



「…でもそれなら会いたい、とか?」


「当たり前だろ。会いたくなきゃ別れてるさ。」



そう言う彼の声音も聞いたこともない色で。



「そう ですか。」




僕はその時愕然としていた。

一番に考えてしまったことが

涼宮さんの気持ちや世界の危機とかではなく




『僕では駄目なのか』




という事だった事に。


あはは、気付いた時には失恋だったなんて。
孤独なドラマなんてこれ以上経験したくなかったのに。



動き始めていた心がまた停止した。



再生ボタンをあなたが押してくれる可能性はきっとゼロに近い。

ゼロではないかもしれないけど




end



いつも以上に後先考えずに書いた文です。
ぐだぐだ…;;


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